初級日本語教科書と予備教育用物理教科書の語 彙比較
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Abstract
これまで専門分野で使用されている専門的な語彙の研究は 盛んに行われている。ところが、ほとんどの研究は大学入学 後の留学生のための研究であり、調査対象となるのは日本の 高校の教科書や研究論文や大学レベルの教科書となっている。 最近では様々な留学プログラムがあり、自国内での予備教育 がある場合や編入を目指すプログラムなど、多様化している ことが特徴である。本稿では、初級日本語の教科書(『みん なの日本語』)と予備教育で使用されている物理教科書に出 現する語彙に焦点をあてて比較した。その結果、『みんなの 日本語』と物理教科書は重複する語がほとんどないことが明 らかになった。また、重複する語に関しては、数が少ないに もかかわらず、出現頻度も非常に少ない。『みんなの日本 語』で学習した既習語であっても物理教科書で扱われている 場合では意味のズレがあり、複雑な文構造の中に使われてい る。このことより、初級終了程度の学習者が物理の科目を日 本語で学習する困難があると言える。
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